しんせつかいせつ英文法

英文法をていねいに解説いたします。

第1章 5文型 ― Lesson 3: 品詞の基礎の基礎(2)

はい、では前回のつづき。

形容詞と副詞の違いです。

 

形容詞と副詞が紛らわしいのは、この両方ともが「他の語を飾る品詞」だからでしょう。

「きれいな → 花」

とか、

「上手に → 描く」

といったふうに、形容詞と副詞は、他の語を修飾します。

(逆に言うと、他の語を飾る働きをする品詞は、形容詞と副詞のみです。)

そうすると、何をどんなふうに修飾すると形容詞なのか、はたまた副詞なのか、という話になってくるわけで、そこをちゃんとやっておかないと区別ができないことになります。

形容詞と副詞の区別ができないと、5文型はちゃんと理解できません。

 

それでは順に見てみましょう。

 

 

形容詞

形容詞の基本的な働きは、「名詞を修飾する」、です。

置かれる位置は、通常、名詞の直前です。

 

具体的に見てみます。

 

f:id:m-riki:20160229013502j:plain

 これは高価なカメラです。

(高価な → カメラ)

 

an expensive camera(高価なカメラ)の expensive(高価な)は、camera(カメラ)という名詞の前に置かれ、その camera という名詞を修飾しているのがわかると思います。

このように、名詞を飾るのが形容詞の主な役割です。

 

繰り返します。

形容詞が修飾するのは名詞だけです。

それ以外のものは飾らないでください。

それが形容詞を理解する最重要ポイントです。

 

ところが、形容詞には、もう1つの使い方があります。

例えばさっきの文は、少し作り変えますと、

 

f:id:m-riki:20160229014048j:plain

 このカメラは高価です。

 ( カメラ = 高価 )

 

とすることができます。

この場合の形容詞 expensive は、名詞に直接くっついているわけではないので、さっきとは使い方が違います。

しかし、結局はこの expensive も、主語である名詞 camera のことを説明していることに違いはありません。

このように、形容詞には、名詞の前に直接くっつかずに、間接的に主語や目的語(← 後に説明します)になっている名詞を説明する使い方もあります。

 

名詞にくっついて飾る方を限定用法、くっつかずに説明する方を叙述用法と言いますが、そういう細かい話はまたいずれ。

とりあえず、形容詞は名詞を飾ったり説明したりする、ということをしっかり理解してください。

 

 

副詞

 では、副詞の働きとは何でしょうか。

 

副詞が飾るのは、形容詞、動詞、他の副詞、文全体、などです。

そう言われるとややこしいでしょうけれども、要は、名詞以外を修飾するのは全部副詞と考えればOKです。

 

もう一度整理します。

他の語を飾る働きを持っているのは、形容詞と副詞だけ。

そして、それぞれは……

 

 形容詞 = 名詞を修飾

 副詞 = 名詞以外を修飾

 

これだけです。

 

副詞の働きは、「名詞以外を飾る」ということが全てで、他の用法はありません。

名詞以外を飾るものは何でも副詞。

それが副詞の全てです。

 

具体的な例をあげておきますので、イメージをつかんでください。

 

f:id:m-riki:20160304220031j:plain

このカメラはとても高価だ。

( very は expensive という形容詞を飾る副詞)

 

f:id:m-riki:20160304215637j:plain

彼はゆっくり話す。

( slowly は speaks という動詞を飾る副詞)

 

f:id:m-riki:20160304220258j:plain

彼はあまりにもゆっくり話す。→ 彼は話すのが遅すぎる。

( too は slowly という副詞を飾る副詞)

 

f:id:m-riki:20160304221039j:plain

幸いにも雨は降っていなかった。

( Fortunately は、it was not rainy という文全体を飾る副詞)

 

このように、名詞以外のものを修飾していれば、すべて副詞です。

 

さらにもっと端的に言ってしまうならば、「いつ」「どこで」「どのように」などの内容を表すのはすべて副詞、とも言えます。

I went to the zoo yesterday.

私は昨日動物園へ行った。(いつ)

 

I met him there.

そこで彼に会った。(どこで)

 

He can play baseball well.

彼は上手に野球ができる。(どのように)

たいへん大雑把ですが、差し当たってはこような理解でもかまいません。

 

 

さて、これで8つの品詞について、だいたい理解できたでしょうか。

特に、(代)名詞、動詞、形容詞、副詞、前置詞の概念は重要です。

 

それをふまえた上で、次は、句や節という考え方に移りたいと思います。