第1章 5文型 ― Lesson 4: 句と節(1)
さて、まだ文型の話には入れないんです。
その前に、次は「句」と「節」という考え方を理解してください。
(「句」と「節」を理解するには、名詞、動詞、形容詞、副詞といった品詞の基本的な働きを理解している必要があるので、そのあたりがまだあいまいな人は、Lesson 2 と 3 に戻ってやり直してください。)
さあ、ではまず「句」からはじめましょう。
句
英単語1つ1つは、「語」とか「単語」とか言ったりします。
その「語」が2つ以上の固まりになったものを「句」と言います。
例えば、
camera
は「(単)語」ですけれども、
an expensive camera (高価なカメラ)
という3語の固まりは、「句」です。
さらに言うと、an expensive camera は、
冠詞 + 形容詞 + 名詞
という組み合わせの固まりですが、全体としては「1つの高価なカメラ」というモノを表しているわけですから、固まりとして1つの名詞の働きをすることになります。
そこでこれを、「名詞句」と呼びます。
同様に、
I play baseball.(私は野球をします)
の play は動詞ですが、
I can play baseball.(私は野球ができます)
の can play は、動詞として働く2語の固まりですから、「動詞句」と言えます。
さらに、
He speaks slowly.(彼はゆっくり話します)
の slowly は副詞ですが、
He speaks very slowly.(彼はとてもゆっくり話します)
の very slowly は、副詞として働く2語の固まりですから、「副詞句」です。
いいでしょうか。
繰り返して整理します。
・2語以上の単語の固まりを「句」と言います。
・その固まりが、全体として名詞の働きをすれば「名詞句」。
・その固まりが、全体として形容詞の働きをすれば「形容詞句」。
・以下、同様に、動詞句、副詞句があります。
具体例で確認してみてください。
(私の兄は間もなく新しい携帯を買うでしょう)
名詞句の文中での働きは名詞と同じ。
形容詞句の文中での働きは形容詞と同じです。
このことが文型を考える上では大変重要なので、よく覚えておいてください。
節
次に「節」です。
語が2つ以上の固まりになると「句」になることを見てきたわけですが、その固まりの中に、主語と動詞の関係、つまり、「~が……する」「~は……である」といった関係が含まれている場合は、「句」ではなく「節」と呼びます。
例えば次の3文を比べてみてください。
a) I know him. (私は彼を知っています)
b) I know his sister. (私は彼の姉を知っています)
c) I know that she goes to a famous school.
(私は彼女が有名校に通っているということを知っています)
この3つの文はどれも、
I know ✕✕✕. (私は ✕✕✕ を知っています)
という同じ構造を持つ文です。
そして、その「知っている」内容はそれぞれ、
a) の場合は、him「彼」という(代)名詞。
b) の場合は、his sister「彼の姉」という名詞句。
c) の場合は、that she goes to a famous school 「彼女が有名校に通っているということ」という大きな固まり。
です。
この c) の大きな固まりの中には、she goes という、主語+動詞の関係が含まれていますから、このような固まりを、「語」でも「句」でもなく、「節」と呼ぶわけです。
そして、文全体の中では、 a) の him や、b) の his sister と同じように、「✕✕✕を知っている」の「✕✕✕」として名詞の働きをしているわけですから、さらにこれを名詞節と呼ぶことになります。
同じことですが、副詞節もやってみましょう。
a) I saw him today. (私は今日彼に会った)
b) I saw him the day before yesterday. (私は一昨日彼に会った)
c) I saw him when I was shopping. (私は買い物している時に彼に会った)
a) の today は、動詞 saw を修飾しますから副詞、
b) の the day before yesterday は、同じ働きで2語以上の固まりですから副詞句、
c) の when I was shopping は、同じ働きをする2語以上の固まりで、なおかつその中に I was という、主語+動詞の関係を含みますから、副詞節です。
他に、同じリクツで、形容詞の働きをする節 = 形容詞節もありますが、これは少し話がややこしくなるのでいったんおいておきます。
さて、これで8つの品詞と、句・節という考え方が理解できたでしょうか。
ここまでに出てきたキーワードをいかにまとめますので、それぞれの言葉が表すものをちゃんとイメージできるか確認してみてください。
品詞
(代)名詞
動詞
形容詞
副詞
前置詞
接続詞
間投詞
句
名詞句
動詞句
形容詞句
副詞句
節
名詞節
副詞節
(形容詞節)