しんせつかいせつ英文法

英文法をていねいに解説いたします。

第1章 5文型 ― Lesson 4: 句と節(1)

さて、まだ文型の話には入れないんです。

その前に、次は「句」と「節」という考え方を理解してください。

 

(「句」と「節」を理解するには、名詞、動詞、形容詞、副詞といった品詞の基本的な働きを理解している必要があるので、そのあたりがまだあいまいな人は、Lesson 23 に戻ってやり直してください。)

 

さあ、ではまず「句」からはじめましょう。

 

 

英単語1つ1つは、「語」とか「単語」とか言ったりします。

その「語」が2つ以上の固まりになったものを「句」と言います。

 

例えば、

camera

は「(単)語」ですけれども、

an expensive camera (高価なカメラ)

という3語の固まりは、「句」です。

 

さらに言うと、an expensive camera は、

 冠詞 + 形容詞 + 名詞

という組み合わせの固まりですが、全体としては「1つの高価なカメラ」というモノを表しているわけですから、固まりとして1つの名詞の働きをすることになります。

そこでこれを、「名詞句」と呼びます。

 

同様に、

I play baseball.(私は野球をします

の play は動詞ですが、

I can play baseball.(私は野球ができます

の can play は、動詞として働く2語の固まりですから、「動詞句」と言えます。

 

さらに、

He speaks slowly.(彼はゆっくり話します)

の slowly は副詞ですが、

He speaks very slowly.(彼はとてもゆっくり話します)

の very slowly は、副詞として働く2語の固まりですから、「副詞句」です。

 

いいでしょうか。

 

繰り返して整理します。

 

・2語以上の単語の固まりを「句」と言います。

・その固まりが、全体として名詞の働きをすれば「名詞句」。

・その固まりが、全体として形容詞の働きをすれば「形容詞句」。

・以下、同様に、動詞句副詞句があります。

 

具体例で確認してみてください。

 

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 (私の兄は間もなく新しい携帯を買うでしょう)

 

名詞句の文中での働きは名詞と同じ。

形容詞句の文中での働きは形容詞と同じです。

このことが文型を考える上では大変重要なので、よく覚えておいてください。

 

 

 

次に「節」です。

語が2つ以上の固まりになると「句」になることを見てきたわけですが、その固まりの中に、主語と動詞の関係、つまり、「~が……する」「~は……である」といった関係が含まれている場合は、「句」ではなく「節」と呼びます。

 

例えば次の3文を比べてみてください。

 

a)  I know him. (私は彼を知っています)

b)  I know his sister.  (私は彼の姉を知っています)

c)  I know that she goes to a famous school.

 (私は彼女が有名校に通っているということを知っています)

 

この3つの文はどれも、

 I know ✕✕✕. (私は ✕✕✕ を知っています)

という同じ構造を持つ文です。

 

そして、その「知っている」内容はそれぞれ、

a) の場合は、him「彼」という(代)名詞

b) の場合は、his sister「彼の姉」という名詞句

c) の場合は、that she goes to a famous school 「彼女が有名校に通っているということ」という大きな固まり。

です。

 

この c) の大きな固まりの中には、she goes という、主語+動詞の関係が含まれていますから、このような固まりを、「語」でも「句」でもなく、「節」と呼ぶわけです。

そして、文全体の中では、 a) の him や、b) の his sister と同じように、「✕✕✕を知っている」の「✕✕✕」として名詞の働きをしているわけですから、さらにこれを名詞節と呼ぶことになります。

 

同じことですが、副詞節もやってみましょう。

 

a)  I saw him today. (私は今日彼に会った)

b)  I saw him the day before yesterday.  (私は一昨日彼に会った)

c)  I saw him when I was shopping. (私は買い物している時に彼に会った)

 

a) の today は、動詞 saw を修飾しますから副詞、

b) の the day before yesterday は、同じ働きで2語以上の固まりですから副詞句、

c) の when I was shopping は、同じ働きをする2語以上の固まりで、なおかつその中に I was という、主語+動詞の関係を含みますから、副詞節です。

 

他に、同じリクツで、形容詞の働きをする節 = 形容詞節もありますが、これは少し話がややこしくなるのでいったんおいておきます。

 

さて、これで8つの品詞と、句・節という考え方が理解できたでしょうか。

ここまでに出てきたキーワードをいかにまとめますので、それぞれの言葉が表すものをちゃんとイメージできるか確認してみてください。

 

品詞

 (代)名詞

 動詞

 形容詞

 副詞

 前置詞

 接続詞

 間投詞

 

 名詞句

 動詞句

 形容詞句

 副詞句

 

 名詞節

 副詞節

(形容詞節)