しんせつかいせつ英文法

英文法をていねいに解説いたします。

第1章 5文型 ― Lesson 5: 句と節(2)―前置詞句

前回までで、品詞、句、節という考え方が理解できていれば、これでやっと5文型のレッスンに入る準備が整ったことになるんですが、その前に最後にもう1つ、「前置詞句」について説明しておきたいと思います。

 

前置詞句

in や on や at、to や from や with や by …… などを前置詞というわけですが、その前置詞で始まるひと固まりの語句を前置詞句といいます。

 

たとえば、at は前置詞ですが、

  at the station (駅で)

 は前置詞句です。

 

同様に、in は前置詞ですが、

  in the morning (午前中に)

は前置詞句です。

 

それだけのことなんですが、このような前置詞句は、文中では「形容詞句」もしくは「副詞句」の働きをします。

したがって、文の構造を考えていく際には、前置詞句は、形容詞句か副詞句のどちらかとしてとらえていく必要があります。

 

具体例で見てみましょう。

 

 

前置詞句=形容詞句

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       (彼は箱の中のリンゴを食べた)

 

in the box という固まり(前置詞句)は、前の apples という名詞を修飾しています。

ここで、Lesson 3 の形容詞の話を思い出してください。

 

riki-english.hatenablog.com

 

名詞を飾るのは形容詞の働きでしたよね。

上の文の in the box も、apples という名詞を飾っているのだから、働きは形容詞と同じです。

そして、2語以上の固まりですから、語ではなくて「句」です。

従って、in the box という前置詞句は、形容詞句であると言えるわけです。

 

(補足:形容詞は、delicious apples のように修飾する名詞の前に置きますが、形容詞句は、apples in the box のように後置するのが原則です。)

 


前置詞句=副詞句

前置詞句はまた、副詞句としても働きます。

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               (私は駅で彼に会った)

 

at the station という固まり(前置詞句)は、「駅で → 会った」という風に、met(会った)という動詞を修飾しています。

ここでまた Lesson 3 の副詞の話を思い出してください。

 

riki-english.hatenablog.com

 

名詞以外を飾るのは副詞の働き、でしたよね。

上の文の at the station という固まりも、met という動詞を飾っているのだから、働きは副詞と同じです。

(「いつ」「どこで」「どのように」を表すものはすべて副詞です)

そして、やっぱり2語以上の固まりですから、「句」です。

従ってこの at the station という前置詞句は、文中の働きとしては副詞句であると言えるわけです。

 


まとめ

前置詞句の働きは、形容詞句もしくは副詞句である。

このことをよく理解し、覚えておいてください。

 

さあ、これでOKです!

準備運動は終わりました。

次回からいよいよ本格的に5文型のレッスンに入っていきたいと思います。